ブログ

2021年09月

2021.09.24

レモンと歯

なかなかコロナが収束せず、県をまたいでの移動が難しい日々が続いていますね。
私は数年前に旅行で訪れた淡路島のレモンが忘れられず、この時期になるとお取り寄せで購入しています。
昔はレモンというと、輸入品ばかりで国産のレモンはほとんど見かけなかったように思いますが、
最近ではスーパーでも見かけるようになりましたよね(*^^*)
この時期はグリーンレモンといって、皮が黄色ではなくて、きれいなグリーンなので、見た目もとてもステキなんです♡

とはいえ、レモンの酸味は体には良くても、歯には良くないことも・・・。
実は酸が、歯の表層のエナメル質を溶かしてしまうのです。
これを、酸蝕歯(さんしょくし)といいます。
酸蝕は主に、普段から口にする食べ物や飲み物に含まれる酸によって起こります。
酸を含む食品は非常に多く、健康に良いとされる果物や野菜ジュース、サラダドレッシングなども含まれます。
また、酸性の薬剤の服用や胃酸の逆流も酸蝕の原因となります。
虫歯も酸によって歯が溶けることによってできますが、違いは細菌が関与していないことです。


☆黄ばむ
エナメル質が著しくすり減ると、その下にある黄色味を帯びた象牙質が見えやすくなります。


☆光沢を失う・変色
エナメル質がすり減った歯は光沢を失い、くすんで見えます。


☆半透明~透明になる
エナメル質損耗がさらに進行すると、目で確認できるほどエナメル質が薄くなります。
エナメル質が薄くなることで、歯の先端が透けて見えます。


☆しみる
歯を保護しているエナメル質がすり減ったことで、その下にある象牙質が露出し、知覚過敏の症状を引き起こします。


☆先端が丸みを帯びる
歯の先端は、最も酸蝕が起こりやすい部分です。

私たちの口の中は、普段は中性のpH7前後に保たれています。
しかし、飲食物や胃酸の影響で酸性度が高くなり、pH5.5以下になると歯は溶けやすくなります。
炭酸飲料などはpH値2.2~2.9、オレンジやミカンなどの果汁飲料はpH値4.0前後が多く、ビールもpH値5.0以下のものが見られます。
これらの飲み物をよく飲んでいる人は、酸蝕症の危険があるということになります。
牛乳や緑茶、麦茶などはpH値6.0程度のため、酸蝕症のリスクはほとんどないと考えられます。

食べ物の例の一つは、柑橘系の果物です。
レモンはpH値2.1、グレープフルーツは3.2、オレンジやミカンは3.5~3.6と、いずれも酸蝕歯になってしまうリスクのある数値です。

酢を使ったドレッシングもpH値3.1~4.0のものが多く、健康のために野菜サラダを多く取っても、ドレッシングの使い過ぎには注意が必要です。

そして、原因となる酸性の飲食物を摂取したあとは、水やお茶を飲んだり、口をすすいで洗い流すようにしましょう。
飲食直後は酸に触れて歯が軟らかくなっているので、歯磨きは飲食後すぐではなく、
30分以上おいて、唾液によって口腔内が中和されてから行うと良いですよ。

(衛生士 T)

2021.09.16

歯周病と身体の病気は関係がある??

歯周病のことについては、以前ブログに書きましたが....
全身の病気との関係についてもう少し詳しく書こうと思います🍀

歯周病はお口の中だけにとどまらず、全身の病気の発症や悪化の原因の一つになります。
歯周病になると....
歯茎が赤くなる、出血する、腫れる、痛みが出るなど歯周組織に炎症が起こります。
その炎症が持続的に起こると、全身に影響していきます。
歯周病になるということは、手のひら大の炎症を治さないまま生活しているようなものです。
中程度歯周病(歯周ポケット5~6㎜)の場合
炎症を起こしている歯肉の総面積は、手のひら大くらいになります。
歯周病は慢性疾患なので、治療しないままいると言うことは、
手のひら大の炎症を放置して日々過ごしていると言うことになります。

歯肉には毛細血管がはりめぐらされていて、全身の血管に繋がっています。
歯肉が炎症を起こすと、多くの種類の炎症物質がたくさん作られます。
これらの炎症物質は血糖値を下げるインスリンの働きを悪くする他、早産やアルツハイマーに関係したり、
肥満の促進、動脈硬化を引き起こしたりする働きがあります。

最近では歯周病と大腸がん、食道がん、すい臓がんの関わりについてもわかってきています。
こう言う事を聞くと、少し怖くなるかもしれませんが....
歯周病の治療や予防によって、病気のリスクが減ることがわかっているので過度に心配しなくてもよいでしょう。
歯周病を治すことで血糖値が改善されると言うことも報告されています。
身体の健康の為にも、歯周病対策をしませんか?

※歯肉の炎症が一時的なら細菌の侵入も少ないので、体の抵抗力で抑え込むことができます。
なので、歯磨きの時に傷ついた....などでは菌が入り込む心配はありません。

(衛生士 K)